任意整理を途中でやめるとどうなるか

文責:弁護士 森田清則

最終更新日:2025年03月21日

1 任意整理を途中でやめると問題が悪化する可能性があります

 任意整理に着手したものの、途中で連絡が取れなくなるなどの状況になってしまうと、債務に関する問題が悪化の一途をたどることは避けられません。

 任意整理を途中でやめると、多くの場合、残債務や遅延損害金を一括で支払わなければならなくなります。

 一括支払いが困難である場合、再度任意整理をするか、個人再生または自己破産を検討することになります。

 再度任意整理をするとした場合であっても、貸金業者等は、より厳しい返済条件でしか和解に応じない可能性があります。

 そのため、一度任意整理に着手したら、一括支払いができるようになった場合、または任意整理で解決できる見通しがなくなった場合を除き、途中でやめることは絶対に避けるべきであるといえます。

 以下、任意整理の流れと、途中で任意整理をやめた場合に起き得ることについて説明します。

2 任意整理の流れ

 弁護士に任意整理を依頼すると、まず弁護士から貸金業者等に対して受任通知という書面が送付されます。

 貸金業者等は受任通知を受け取ると、債務者の方に対する取り立てを一旦停めます。

 多くの場合、この時点で貸金業者等は残債務の一括請求をすることができる状態になります(専門的には、「期限の利益喪失」といいます。)。

 その後、弁護士費用の積立てが終わったら、弁護士が貸金業者等との間で返済条件についての交渉を行います。

 交渉の結果、両者が合意に至れた場合には、和解書を作成して任意整理は終了します。

 途中で弁護士費用の積立てが止まってしまったり、連絡が取れなくなってしまったという場合、弁護士の立場としても任意整理の処理を続けることができなくなりますので、一定期間経過後に辞任せざるを得なくなります。

 弁護士辞任後は、再度貸金業者等から債務者の方に直接取り立てが行われるようになります。

3 途中で任意整理をやめた場合に起き得ること

 任意整理を途中でやめてしまうと、すでに期限の利益を喪失していることに加え、代理人弁護士も辞任しているので、貸金業者等から残債務等を一括で支払うよう直接要求されます。

 さらに時間が経過すると、訴訟の提起や支払督促の申立てがなされます。

 その後、判決または仮執行宣言付支払督促が確定してしまうと、強制執行によって預貯金や給与が差し押さえられてしまう可能性があります。

 これを回避するためには、一括で支払うか、改めて債務整理を行わなければなりません。

 再度任意整理をする場合、貸金業者等からの信用を失っているため、少ない分割回数でしか和解に応じないという提案がなされる可能性があります。

 もし任意整理では解決不可能であれば、個人再生または自己破産を選択することにより、債務の大幅な減少または返済義務の免除を図ることになります。

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